2015年6月13日、「アメーバ経営とフィロソフィ」をテーマに、京都大学芝蘭(しらん)会館 稲盛ホールにて、アメーバ経営学術研究会 第5回シンポジウムを開催しました。
第Ⅰ部では、一橋大学大学院 商学研究科 教授 田中 一弘 氏より「フィロソフィと義利両全 ―渋沢理念の視点から―」と題し、道徳と経済は本質的に一致するという「道徳経済合一説(=義利両全説)」、アメーバ経営とアダム・スミスの共通点、義(=公益)と利(=私利)の関係性について解説いただきました。
また、アメーバ経営学術研究会 会員である京都大学 名誉教授 上總 康行より「経営フィロソフィのシステム化と利益連鎖管理」と題し、京セラ管理会計(=アメーバ経営)と欧米企業の予算管理の特徴の対比がなされました。また、アメーバ経営導入企業の実例に基づく販売戦略やビジネスモデルが解説されました。
次にコマニー株式会社 代表取締役 社長執行役員 塚本 幹雄 氏より「アメーバ経営とフィロソフィ 実践事例」と題し、20年前の自社へのアメーバ経営の導入のきっかけから、現在自社で実践しているアメーバ経営の取組みを業績推移とともに解説されました。20年というアメーバ経営の導入期間のご経験からアメーバ経営導入後に業績を向上させる秘訣、アメーバ経営の素晴らしさと難しさについて解説されました。
第Ⅱ部「パネルディスカッション」では、第Ⅰ部の講演者3名とKCCSマネジメントコンサルティング株式会社のコンサルタント 清水 宏治 氏がパネリストとして参加。「アメーバ経営とフィロソフィのダイナミズム」をテーマに、予定必達に向けたアクションプラン、アメーバ経営におけるフィロソフィの浸透のために必要な要件などについて議論しました。
今回のシンポジウムでは、渋沢 栄一やアダム・スミスの思想とフィロソフィが対比され、その上でアメーバ経営の意味が考察されました。実行委員の澤邉 紀生が、「アメーバ経営は人類の財産として価値がある」と述べ、第Ⅰ部、第Ⅱ部での講演・パネルディスカッションを通じて、出席者のアメーバ経営とフィロソフィの理解が深まった素晴らしい会となりました。